第54章 長男に松野家お呼ばれのちトランプ時々裏
「じゃあ僕から再開するよ」
チョロ松の数字は3。
そのまま誰もダウトをコールしないでチョロ松まで一周した。
「はい…9」
(来た来た来たー!)
「ダウツッ!!」
オレは立ち上がり、チョロ松に向かって指パッチンしながら宣言した!
「あーあ、だめかー…」
堅実に手札を減らしていたようだが、すまないなチョロ松。
2、9を味方につけた今のオレが獅子であるならば、お前はチョロチョロ仕留められるのを待つ可愛い野うさぎだ。
百獣の王たる獅子は、たとえか弱い野うさぎすら、狩るのに全力を尽くすという…。
ってゆーか、相変わらず嘘がつけない性分のようだな。
目に数字が出ているぞ。
オレがコールしなくても、絶対他のヤツにコールされてただろ、それ。
だがそれが、『手堅く勝利への道を切り開く、己を偽れない正真正銘のチェリーボーイ、チョロ松!!』なんだ。憎めない可愛いブラザーさ。
チョロ松が場に出たカード6枚を回収した。
その時…
「カラ松お前、なんか企んでんな?」
「っ!?」
おそ松がニタリと笑った。