第54章 長男に松野家お呼ばれのちトランプ時々裏
トッティはオレに向かい指を突きつけてきた。
「カラ松兄さんさ、サングラスずるくないっ!?それじゃあ表情よく見えないし!」
「えぇっ!?」
「たしかにー!!」
「……死ね」
十四松までトッティに便乗している。
ん?今誰か死ねって言った?
「ってゆーか僕もずっと思ってたけどさ、部屋だし真夜中だしサングラスなんてかけないでよ」
「ほら、チョロ松兄さんだってこう言ってるよ?マジひくわー!クソイタサイコパスニートグラサンとか!」
トッティよ、それは言い過ぎじゃないか?カナをくっつけすぎだ。
こいつは勝負には向かない豆腐メンタルだが、それをカバーするあざとさと計算高さがある。
オレのグラサンにゲームが始まる前から気づいていたくせに、ゲーム中盤、皆が神経をすり減らし苛立つ頃合いを見計らった上での「サングラスずるくない?」ときたもんだ。
そう、それが『打たれ弱くも天性の人心掌握術でカバー!あざとさMAXな策士トド松!!』なのさ!
「ねぇねぇ、主ちゃんも外して欲しいよねっ?」
「あはは…」
主は少し困ったように笑っている。