第53章 番外編 秘密の放課後 F6一松
「にゃんっ」
「っ!!」
猫の鳴き声で我に帰った。
数分間記憶をさまよっていたようだ。
腕の中の猫を見ると、心配そうにおれを見ている。
「…お前、心配してくれてるの?」
猫は喉を鳴らしながら、おれの腕に頬ずりをしている。
「——そうだな。素直になって、おれから謝ろう」
不安にして、寂しがらせたのはおれなのだから。
好きという気持ちに嘘はつけないのだから。
これからは、あいつを嫌な目に遭わせぬよう、おれが強くなりナイトになって愛し続ければいいんだ!
おれは猫を降ろし別れを告げてから、主を探しに校舎へと戻った。