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おそ松さん〜ニート達の裏模様〜

第52章 番外編 神松育成ストーリー(読切逆ハー裏)



「元気を出せ!さっきのスマイルをまたオレに見せてみろ!ダメになったものは仕方がないじゃないかっ!縁が無かった。それだけだ」


わたしの肩をポンと叩きながら、ワザとらしく明るい声で励ましてくれた。

その優しさに、ちょっとカッコいいかもなんて思ったり。


「主、今がどんなに辛くとも、明けない夜は無いんだ!ライジングサンッ!!見ろっカラ松ガール!希望に満ち溢れたあのモーニングサンシャインをっっ!!」


あれ、やっぱり違った。イタイだけだった。


「……」

「…つ、つまり、何が言いたいかというと」


朝日を浴びたカラ松の頬が、ほんのり赤らんでいる。


「終わってしまっても、十年もの長い間、大事にされ愛を育んだという事実は消えないんだ。だから自信を持て!キミはキュートなスマイルがよく似合う!だろ?カラ松ガールッ!」

「カラ松……」

(カラ松ガールではないけれど…ありがとう)


彼の言葉が心に寄り添うように、わたしの中にスッと入り込んできた。


「とは言ってもだ、オレは十年連れ添ったデスティニーもいなければ、カラ松ガールズと恋に落ちた事もない。キミの心がどれほど辛いか、イメージ出来ても共感は出来ない。理解してやりたくても自分勝手なキレイ事しか言えない…」

「そ、そんな事ないっ!わたし今、すごく嬉しかった!すごく気持ちが楽になったの!」

「主…」


わたし達はどちらからともなく、互いの瞳を見つめあった。


「キミなら平気さ。きっと…またいいヤツに巡り会える。例えばそう!オ、オレとかなっ!」

「えっ!?」

(カラ松…今——!?)


問いかけようとしたけれど、彼はわたしを待たずに話を続けた。


「なぁ、主は…このままでいいのか?こんな不毛な事をいつまで…」


そこまで言いかけると、


「——そういえばチョロ松に…抜け駆けするなと言われたばかりだったな」


自分に言い聞かせるようにそう呟き、わたしの肩を抱き寄せたまま、再び眠りについてしまったのだった。


・・・
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