第52章 番外編 神松育成ストーリー(読切逆ハー裏)
「みんな誰も口にしないが、主、キミはとても魅力的なレディーだ。オレ達の強すぎる欲望を、その身一つで毎日受け止めてくれてありがとう…そして悪かった」
「わたしだって、毎晩気持ちよくしてもらってるから…」
「こんな事言うのはおかしいかもしれないが…キミの身体は本当に美しくて、抱き心地が良くて……正直、十年も抱けた前の男がオレは憎い」
「え…?」
意外な言葉に、動揺を隠せなくなったわたしを落ち着かせるよう、カラ松はそっと頭を撫でた。
「それに、つい先日まで童貞で、下手くそなオレ達に抱かれてイケるなんて…。キミが一人の男に沢山愛され、身体を一人前の女にしてもらえた…そういう事だろう?」
「っ!!」
そんな事考えもしなかった。
毎晩気持ちよさに溺れているだけだった。
男の人はそういう部分とても繊細なのだろうか?
セックスした時、女の身体に他の男がチラつくものなのだろうか?
「下手なんかじゃないっ!みんな…真っ直ぐ求めてくれて、わたしはそれが嬉しくて…。それに、もう彼は戻ってこないもんっ!ライン送ったって既読にすらならないし…電話だって……っ!」
口にして初めて気づいた。
わたしはまだ、元彼を忘れてなんていなかった。
アルコールと同じで、毎晩気持ちよくなって気を紛らわせていただけ…。
「わたし…ダメな女…」
俯くわたしに、彼は少し寂しげに微笑みかけてきた。