第51章 本気で虐めちゃうけど…いいよね? トド松
ボクは目を合わせずに質問を続ける。
「五人って…男何人いたの?」
「ブサ男とユリ太郎の二人だけど…。女の子は短大時代の友達で、ブス美とBL子(ブル子)」
何その名前。
ブから始まるの多すぎ。
よくそんな名前の友人集めたね。
頭が上がらないよ。
ボクですら、名前でネタに出来るのクソ助くらいだし。
普通丸はまぁ、普通だからちょっとかわいそう。
心に黒い感情が生まれ、声のトーンが下がる。
「ねぇ、主ちゃん。どうして教えてくれなかったの?」
「えっ?教えたよ?友達と旅行って…」
「あのさ…友達と旅行って言われたら、フツー女の子だけだと思わない!?」
「そ、それは…」
主ちゃんが口ごもった。
構わずぼくは続ける。
「ボク彼氏だよ!?男友達じゃないんだよ!?日帰りならまだ許せるけど、泊まりがけの旅行に男いたら事前に彼氏に話すよね!?」
「ごめん…でも、元は女の子だけだったんだよ?直前になって二人行けなくなっちゃって、ブス美が誘ったのが男の人で…。わたしも、前日に知らされて」
「ブス美もブス美だよねー。前日に男誘うとかどんだけ?」
思わずブス美に矛先を向けると、主ちゃんがムッとした表情になった。
「ねぇ、わたしの事は何言ったっていいけど、友達の事は悪く言わないで!」
いや、前日に男呼ぶとかブス美確信犯だから。
そいつぜってーヤられたがってるから!
(って待てよ!?まさか、前日って事は…!!??)
そのまさかだった。
ボクが聞き出すと、部屋は全員同室だったと彼女は言った。
(もうダメだ…)
今日のボクは全然可愛くないし、ちっともカッコよくなんてなれやしなかった。