第50章 マグロ漁船でワッショーイ!! 十四松
「びっくりしちゃった!わたしの名前叫びながら出てくるんだもん。どうして分かったの?」
突然の主ちゃんに興奮したぼくは、名前を呼びながら階段を全段飛ばしして玄関を開けた。
そしたらなんか、驚かせちゃったみたい。
「匂いがしたからー!」
「そっか。うん…そっか」
主ちゃんは居間でぼくを膝枕しながら、ウンウンと頷いている。
「でも帰ってくるの明日じゃなかったー?」
「ううん、むしろ昨日だよ」
「ボゥエッ!?」
うっかり八兵衛!!
「りょこー楽しかったー?」
「うん!今度二人で温泉行こうね!」
「やったぁーー!!」
決めた!マグロ漁船乗ってお金貯めたら、りょこープレゼントしよう!
ワクワクしたから、床でマグロのマネをしてピチピチすると、主ちゃんが沢山笑ってくれた。
もっともっと笑って欲しくてピッチピチしたら…
「キャッ!」
また八兵衛しちゃって、主ちゃんにぶつかっちゃった。
「あ…」
「ふふっ、十四松くん重たいよっ」
ぼくの下で横たわる主ちゃん。
サラサラな髪を撫でると、とっても可愛く笑ったキミから、ほんのり甘酸っぱい香りがした。
その香りは、主ちゃんがドキドキしている証。