第50章 マグロ漁船でワッショーイ!! 十四松
ぼくは主ちゃんをイメージする。
主ちゃんの顔。
主ちゃんの声。
主ちゃんのおっぱい。
主ちゃんの身体。
主ちゃんの髪。
主ちゃんの体温。
主ちゃんの笑顔。
主ちゃんの涙。
主ちゃんのおっぱい。
主ちゃんのラッパ。
主ちゃんのキス。
主ちゃんのエッチ。
主ちゃんのおっぱい。
うーん、もっとあるよね。
でももう思い出さなくても、これだけで十分主ちゃんだ。
一つだけでも主ちゃんだ。
ぼくが思えばいつでも主ちゃんは存在する。
ぼくが思わなくてもいつでも主ちゃんは存在する。
ぼくが見ている主ちゃんと、他の人が見ている主ちゃんは違う主ちゃんだ。
ぼくが見ている主ちゃんは、あくまでもぼくのココロが映し出した主ちゃん。
例えば、今日の雨。
ぼくは、荷物が多いと大変だろうなって思った。
でも、主ちゃんは違うかもしれない。
やったー!雨の匂いだーいすき!って思うかもしれない。
結局、自己移入でしか判断出来ない。
ぼくが嬉しいって思ったことは、主ちゃんにとっては悲しいかもしれない。もちろんその逆も…。
ぼくはちゃんと、主ちゃんを分かってあげられてるのかな?
楽しいことも悲しいことも、嬉しいことも辛いことも…。
——でもこれだけは確かだよ。
主ちゃんってスゴイんだ!
会えなくても、主ちゃんがきっと楽しくニコニコ笑って過ごしている。
そう思うだけで、ぼくのココロをぽっかぽかにあっためてくれるんだ!
だからぼくは、寂しくなると主ちゃんのニコニコを思い出す事にした!
ホッカイロもコタツもストーブもいらないぜっ!!
・・・
あっ、大事なのを忘れてた。
主ちゃんの匂いもあった!
匂いを思い出そうとすると、どこからか甘く優しい匂いが漂ってきた。
(そうそう、この匂いが主ちゃん……あれーっ?)
ぼくがハッと気付いた時、玄関のチャイムが鳴った。