第49章 みんなよくやるよね… 一松
「これからどうする?どっか出かけようか?」
「…は?」
何言ってんの!?
こんなフル勃起状態で出かけたら、おれ捕まるんですけど?
つーかオマエ、どんだけ天然焦らしプレイ!?
我慢の限界だったおれは、思わず主を強く抱き締めた。
「い、一松くん!?」
抱き締めたはいいものの、いつも無理やりが殆んどだったから、なんて誘おうか頭の中でぐるぐると考えを巡らせる。
おれだってカッコよく誘いたい。
…おれなんかにはムリか——。
でも、たまにはスムーズに…。
いや無理だって。イケメン高身長高学歴じゃないし。
そう思いながらも必死に紡いだコトバ。
「せ…責任」
「えっ?」
息を吸うだけなのに、それすらも緊張で震えだす。
「出かけるのは……おれをドキドキさせた責任取ってからにして」
「……」
主が、三途の川ごっこの時みたいにまた黙り込んでしまった。
(やっぱり、引かれたか?)
ビクビクしながら顔を見ると…
「っ!!」
主は今までに無いくらい頬を紅潮させ、
「…うん」
愛しさと切なさと可愛さとエロさをギュッと濃縮させた、極上の『うん』をおれにくれたのだった。