第49章 みんなよくやるよね… 一松
主はモグモグと折れたボッキーを美味しそうに食べて飲み込んだ。
「えへへ、ごちそうさまっ!ちょっと照れちゃった」
ペロリと唇に付いたチョコを、エロい舌で舐めている。
「……」
「どうしたの?もう一本食べる?」
「…も、もういいって!」
おれは部屋の隅に避難した。
コイツといると、いつもおれが一方的に夢中になるばかりだ。
それがちょっと悔しかった。
「一松くーん、こっち来てよぉ」
ケロっとしている主。
そんなアイツを膝を抱えて座りながら凝視する。
(こっちはもう、ヤりたくてたまらないのに…)
女ってのは、どうして男の苦悩を分かってくれないんだろう。
臨戦態勢で勃たせっぱなしとか、ムスコに悪いって思わないの?
泣いて詫びた後、奥まで咥えようとか思わないの?
「一松くん、お・い・でっ?」
そんな上目遣いで可愛く呼んだって、全然ドキドキなんかしないし。
行くわけないし。
何にも思わないし。
むしろ鬱陶しいし。
「……」
「あ、来た」
身体は正直だった。