第48章 ※ハロウィン戦争 トド松
一通り仕事を終えると、カフェスペースのお客さんはみんないなくなっていた。
持ち帰りでケーキを買って行くお客さんもまばらだ。
手持ち無沙汰な時間が流れる。
気合を入れて準備したお店の飾り付けを見ていると、カボチャランタンは寂しそうにオレンジの灯りを揺らめかせた。
「トッティ、ミルクティー作ってあげるから、好きなケーキ選んで休憩してきていいよ?」
「でも…いつもより時間早くない?」
「お客さんいないし、ゆっくり休んできて」
「主ちゃん……」
仮装をして来てくれたお客さんは何組かいたけれど、例年に比べて圧倒的に少ない。
みんな新しいカフェに行っているのかな…なんて思っていたら、
「主ちゃんっ見て!」
「え…?」
自動ドアが開き、お客さんが一斉に何組もお店に入ってきた。
「ボクが休む暇なくなっちゃったねっ!よーし、がんばっちゃおっ!」
「…ありがとう!」
トッティがレジに立つと、一番前に並んだ3歳くらいの可愛いデビルがトッティを指さした。
指差しを注意する母親を無視しながら、女の子は目をキラキラさせて声をあげる。
「さっき会ったおにーちゃんたちそっくりー!!」
「っ!!」
トッティが僅かに動揺すると、母親がニコリと微笑みながら話しかけてきた。