第48章 ※ハロウィン戦争 トド松
主人公視点
トッティがなかなか店内に戻ってこないので心配になり外を見やると、ちょうど自動ドアが開いたところだった。
(す、すごい顔色!どうしちゃったの!?)
わたしの目に飛び込んで来たのは、げっそりとやつれ、疲れ切った表情のトッティ。
「大丈夫?飾り付け大変だった?」
「え?あぁ、平気だよ…っ。オーナメントを鳥がつついて落としていたから、直すの手間取っちゃって…」
「鳥がつつくって滅多になくない!?あと何かすごい大声も聞こえたけど」
そう尋ねても、何故か笑ってはぐらかされてしまった。
「あれ?そういえば、思ったよりお店混まないね」
店内をキョロキョロ見回すトッティ。
「そうなの。今日って確か、駅前に新しくカフェがオープンした初日でしょ?お客さんそっちに流れちゃったかな…」
わたしが少し俯いただけなのに、トッティは優しく肩をポンと叩いてくれた。
「だいじょーぶ!ボクが助っ人に来たんだから!コーヒーおかわり行ってきまーす!」
(トッティ…)
あんなにグッタリしていたのに、疲れを微塵も感じさせない笑顔をお客さんに振りまいている。
(普段は可愛いけれど、ああいう所はとっても頼りになるなぁ)
仕事が終わったら、二人で甘いケーキを食べながら、身体をマッサージしてあげよう。
わたしも負けじと溜まった食器を洗い始めた。