第47章 僕、明日から本気出すから チョロ松
僕は即座に部屋中ファブリーズをかけまくった。
「ハハッ、びっくりしちゃった!そ、その…急に来るなんて思わなかったからさ」
「えへへ、ごめんねっ。おみやげ早く渡したくて来ちゃった。お邪魔しまーす」
どうやら僕の勘違いで、主ちゃんは昨日旅行から帰って来ていたみたいだ。
疲れの抜けていないであろう翌日に、わざわざ僕に会いに来てくれるなんて…!
僕って、世界一幸せな彼氏だよ!
僕としては、こういうびっくりなら毎日あったって構わない。
うん、毎日あればいいのに。
毎日会えたらさ…。
「はい!この最中ね、つぶあんとお餅が入っててすっごく美味しいの!」
旅行のお土産は、綺麗な和紙の箱に入れられた最中だった。
「わーありがとう!これは兄弟で取り合いになっちゃうなぁ!」
「じゃあ一番にチョロ松くんが食べて」
主ちゃんはそう言うと、箱から最中を一つ取り出した。
そして…最中の包みをむ、剥き剥きしてるうぅぅううー!!
「はいどーぞ。あ、お茶もペットボトルあるから飲んでね」
「もぐ…あ、ありがとう!」
(はあーーーん!気が利くーー!!なんていい奥さんになりそうなんだ!剥かれちゃった…!僕の最中、優しく丁寧に剥かれちゃったよおぉぉぉお!!)
愛らしい指に剥かれた最中を味わっていると、何故だか主ちゃんが目を伏せ俯き始めた。