第46章 さて…本気を出すとしよう… カラ松
オレは、ギターのボディをノックしてリズムを取る。
「ワン、ツー、ワンツースリーッ」
〜〜♪
〜〜〜〜♪
主にであったよ〜
(愛、愛〜♪)
偶然じゃなくて〜
(必然的さ♪)
主にであーった〜
(We〜♪)
会えない時間は〜
(我慢できない♪)
主にであったよ〜
(ラァーブッ♪)
お前の体臭〜
(甘くて好きさっ♪)
主にであった〜
(主にであった〜)
主にであーったよ〜
※「六つ子に生まれたよ」のメロディーで脳内再生お願い致します
・・・
十四松がいない事が悔やまれる。これは、二人揃って完成する曲なんだ。
歌が終わると、主は無言で少しだけ拍手をしてくれた。
「フッ、どうだ?ずっと、オレの気持ちを歌にのせて、お前へと届けたかったんだ」
「……」
(言葉に出来ないほど、感動しているのか…)
きっと、グラサンに隠された瞳は潤んでいるに違いない。
オレは主の肩に腕を回し抱き寄せた。
「もう一曲聴きたいかい?」
「さ、寒くなってきたから部屋に戻りたいなっ」
「ああっ、すまない!早く戻ろう!」
主の身体を冷やしてしまっては大変だ。
幸い、今家には誰もいない…。
(主、心も身体も温めてあげよう)
足元が危ないのでグラサンを外させてから、オーマイリルカラ松ガールが落ちないよう支え、二階へと戻って行った。