第44章 続・一松事変 〜作者リク作品〜
「主、オマエは変わり者ガールだなぁ。そんなゴミみたいな愚弟の何処がいいんだか」
「…そんな事言う人だとは思わなかった」
許せなくなったわたしは、玄関から追い出そうと、カラ松くんの両肩を押す。
「もう、帰って!」
すると、両手首を強い力で掴まれる。
「痛いなぁ?そんな反抗的な態度取っていいのか?」
手首を掴まれたまま、廊下の壁に追い詰められる。
「しかも、弟の大事なだーいじな彼女のくせに、平気でおれをベタベタ触るとか…とんだビッチだなぁおい?」
サングラスから微かに透けて見える瞳は、どこまでも冷ややかだった。
「いた…いっ…離してっ!」
「あぁ、離してやる」
「っ!?」
腕を離された途端、キツく抱きしめられキスをされた。
突然の事に気が動転しつつも、嫌悪感が湧き起こり必死に彼の胸板を叩く。
「やめてっ!やめてよぉっ…!……んっ!」
キスから逃れてもすぐ彼の唇に囚われ、乱暴に口を塞がれた。
(カラ松くん…どうして…?あんなに優しかったのに…)
悔しさと恐怖で目に涙が溜まる。
散々貪るようにわたしの口内を犯した後、唾液まみれになった唇が離された。
「…サイコーに気持ちいいキスだったぜアーハン?」
「…グス……ッ…かえ…って……」
「そんなにおれに帰ってほしいのか?このカラ松に?」
当たり前だと思いながらコクコク頷いた。
カラ松くんは、「そうだ」と思いついたように独り言をつぶやいた後、
「じゃあ…オナニー見せてくれたら帰ってやる」
「え…?」
「オマエがおれの目の前でオナニーしたら、素直にゴーホームするし、おれとキスした事もシークレットにしてやるよ」
わたしにとんでもない要求を突きつけてきた。