第6章 五男と性欲
(どうしたのかな?ぼくの触手のキレが悪かった?)
洗練されたキレッキレな触手を求めて練習していると、主ちゃんがポツリとつぶやいた。
「…辛いにきまってるでしょ」
ピタッと触手を止める。
いつもと様子が違う。
「ゴメンね」
「何で謝ってるの?」
「わかんない。ゴメンね」
「そりゃあわかんないよ。十四松くん何も悪いことしてないもん」
主ちゃんの肩が震えている。
「でも、主ちゃん悲しそうだよ?」
「だって…十四松くんが…いつも、タ、タッティ?してるのを、ずっと気づいてあげられなかったなんて…。我慢させてるのが当たり前になってたとか…。そんなの…辛いに決まってる!それに…!」
今にも涙がこぼれちゃいそうな瞳にぼくが映る。
「わたし、全然イヤなんかじゃないよ?むしろ、十四松くんが興味ないのかなぁって思ってた…」
(そうだったんだ!!)
「あははっ!お揃い!!」
「!!」
ぼくは主ちゃんの手を、ダボダボなパーカー越しに包み込んだ。
「お互い、言わなくてもおんなじキモチだったね!」
「…そう、だね…キツく言っちゃって…ゴメン」
「じゃあ、きっと今もおんなじキモチだよね?」
ぼくは主ちゃんを抱きしめた。胸が苦しいほどにドキドキしている。
「…十四松くんには、かなわないね」
「ぼく、もう待てないや…」
「うん…わたしも…おんなじキモチ…」
抱きしめながらキスをして、服を脱がし始める。
すると、いつもの優しい匂いが、甘ずっぱい香りに変わっていった。
・・・