第42章 番外編 F6 おそ松とお嬢様
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ペガサスは何処までも高く昇り、わたし達は雲の上に来ていた。
大きな満月が、神秘的に夜を彩る。
おそ松は、どこからかスプレーを取り出すと、シューと雲に向かってかけた。
「おそ松、一体何をしているの?」
「ハハッ、答えはこれだよ!」
「えっ!?キャーーーッ!!」
わたしを両手に抱きながら、おそ松はペガサスから飛び降りた。
(そんなっ!!こんな高い所から落ちたら…!!)
何処へでも行くとは言ったけれど、黄泉の国だとは思わなかった。
覚悟を決めて硬く目を閉じる。
(あ、あれ?)
急に落ちる感覚がピタリと止まった。
「さぁ、目を開けてごらん」
恐る恐る瞼を上げ目を開くと、
「雲の上!?」
雲が柔らかなクッションのように、わたし達を乗せて浮いていた。
「どういうことですか!?まさか、さっきのスプレーで?」
「うん!赤塚先生のご友人である、藤子先生のネコ型ロボット『ド○えもん』から、雲固めガスを借りていたんだ。ここは僕らだけの雲の島。誰にも邪魔されない二人きりの世界」
「わぁ…本当に綺麗!信じられません」
感嘆の声を漏らすと、おそ松は仰向けになっていたわたしに腕枕をしてくれた。