第42章 番外編 F6 おそ松とお嬢様
「あ、あなたがおそ松…?嘘っ!」
「どうしたの?さっきまで話していたじゃないか。僕だよ、おそ松だって!」
おそ松はそっとわたしの手を引いた。
「っ!!」
その時、手を掴まれていたのを自覚して恥ずかしくなる。
男の人に触れられるのなんて、初めてだった。
「さぁ、お望み通り何処へでも連れて行くよ?何処がいい?ニューヨーク?パリ?ロンドン?」
触れられて緊張してしまい、手が震えだす。
震える手を見たおそ松は「あぁゴメン」と言ってから、指をパチンと鳴らした。
すると、わたしの寝間着が一瞬で真紅のドレスに変わる。
「こっちの方があたたかいし綺麗だよ」
「すごい!おそ松、あなた今魔法を?」
「君の夢を素敵にするためなら何だってするさ。さぁ、行きたいところは?」
「で、では…」
勇気を出して手を握り返すと、おそ松はニコリと微笑んだ。
なんて大きな手…そしてギリシャ彫刻のように白くて美しい…。
わたしはおそ松を見つめ、一生に一度食べてみたかったある物をおそ松に伝えた。
「勿論いいけど、キミって変わってるね?じゃあ、乗って!」
手を引かれ窓際まで連れてこられる。
「え…!嘘…っ!?」
窓の外には…