第41章 番外編 F6 十四松先生と二重奏を コーダ
「先生っひどい」
甘えるように抱きつくと、額にキスを落とされた。
「ハハッ、でもあんなに官能的な演奏はなかなか出来ないよ。やっぱりキミは才能があるね」
不意に身体が浮いたかと思うと、先生はコートとタオルをクッション代わりに机に敷いて、わたしを優しく寝かせた。
「もう…食べてもいいよね?赤ずきんちゃん…」
狼が、わたしを見つめ舌舐めずりをしている。
怖い。
けれど、それよりも早く。
早く一つになりたかった。
わたしの身体は、先生を欲して火照っている。
「きて…十四松先生…」
先生は、音楽室に鍵をかけ、無言でスーツのファスナーを下ろした。