第41章 番外編 F6 十四松先生と二重奏を コーダ
ピアノなんて小さい頃習ったっきりでほとんど弾けないけど、大好きで練習していた唯一のピアノ曲、ドビュッシーの月の光を弾き始めた。
拙いタッチでミスだらけなのに、みんな静かに耳を傾けてくれている。
指の愛撫は悪戯に続けられ、曲を熟知している先生は盛り上がるところ、静かになるところに合わせ——強弱をつけて掻いたり、出し入れを繰り返したり——ワザと指の動きを変えてきた。
(身体が…熱い)
羞恥心と緊張から額に汗が滲む。
(綺麗だよ、主)
十四松先生は、誰にも聞こえないように囁くと、中指を入れたまま親指で膨らんだ芽を押した。刹那、快感が身体中を駆け巡り、思わず背中を仰け反らせてしまった。
「あ…っ!」
だけど、それはちょうど曲の一つの山場で、まるでわたしが感情を込めて鍵盤を弾いたように見せる。
「主ちゃんのピアノ…すごく色っぽい」
ため息を吐くようにトド松くんがつぶやいた。
そんな時にも、膣壁を激しく搔き回される。
(もうダメ…イっちゃう…ダメ、ダメだよぉ…っ!!)
「や…あぁ…っ!」
眉根を寄せ声を堪えていたけれど、太腿が痙攣し始め、わたしは先生の指にあっけなく絶頂へ導かれていった。
あまりの気持ちよさに鍵盤から手を離してしまうと、
「よく出来ました」
十四松先生が、左手だけで曲の締めくくりをサラリと弾いた。
音は片手だから所々抜け落ちていたけれど、そこは作曲家。なんの違和感も無く曲に仕上げてしまう。
先生はそのまま、しなだれ掛かるわたしを抱き寄せ、
「ねっ、上手だったでしょ?」
おそ松くん達に、満足げな笑顔を向けた。