第41章 番外編 F6 十四松先生と二重奏を コーダ
「なんだ、やっぱり主もここにいたんだね!」
「う、うん!」
部屋にF6のみんなが入ってきた。
だけど、一松くんの姿だけそこにはなかった。
「…一松は、最後の別れだからと、猫缶とにぼしを持って猫に会いに行きましたよ」
チョロ松くんがわたしの表情から察したのか、聞く前に教えてくれた。
「そう…猫とずっと仲良しだったもんね」
「にしてもテメーら、卒業したら早速いちゃいちゃしやがって」
「カラ、今日からおれたち、晴れて恋人同士になったんだ!」
「はあぁっ!?」
急いでシャツとブレザーは着たものの、ショーツを履くのは間に合わなかった。
つまり…ノーパンのままである。
そして、わたしはピアノ椅子の上で十四松先生の膝に座らされていた。
四人からは、仲睦まじく膝の上に乗せられ、ピアノを教わっているように見えているのだろう。
「だから今、主にピアノ教えていたところっ!」
「やれやれ…既に呼び方も変わっていますね。でも、卒業まで待った事だけは褒めてあげます」
チョロ松くんに褒められると、十四松先生はポーンと鍵盤を左手の人差し指で叩き、ニッコリと笑った。
…一方右手はというと、わたしのスカートの中でさわさわと内股を撫でている。
ピアノで死角になってはいるものの、声が出ないよう必死に平静を装った。