• テキストサイズ

おそ松さん〜ニート達の裏模様〜

第40章 番外編 F6 十四松先生と二重奏を 第三楽章


涙を拭い、真っ直ぐ一松くんを見つめる。



「一松くん…」



名前を呼ぶと、一松くんは怯えるような瞳をわたしに向け、手を止めた。


分かっていた。


心根が優しい一松くんは、きっとやめてくれる…と。


わたしは、ずるい。



「…ごめんなさい」



途端、一松くんは深い悲しみの色をその顔に宿した。



「なんだよ…それ…」


「わたしね…」



流れる涙を無視して、一松くんの瞳の奥を覗く。


今日のわたしはいつにも増して泣き虫だ。



「…ずっと前から、大好きな人がいるの」


「やめろ……」


「わたし、松野せ」


「言うなっ!!言わないでくれっ!!」



一松くんはわたしに向かい、初めて感情的な声を発した。


そしてそのまま、まるで子供みたいにわたしの胸に顔をうずめる。



/ 1118ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp