• テキストサイズ

おそ松さん〜ニート達の裏模様〜

第40章 番外編 F6 十四松先生と二重奏を 第三楽章


わたしは取り繕うように話を続けた。



「あっ…えっと、一松くんが名前で呼んでいたから、わたしも釣られて名前になっちゃった!あははっ、先生に対して失礼だよねっ!」



一松くんの目が、探るようにわたしを見つめてくる。



「嫌な事をされていないのなら、良い事はされたのか?」


「な、なな何言ってるの!!そんな事…!!」



それはちょうど、広い公園に差し掛かった時だった。



「…こっちに来い」

「なにっ!?」



一松くんはわたしの手を強引に引いて、公園の奥へと連れて行く。



「…お前、アイツの言う通り。素直な音色だから嘘が下手…。楽器は内面を映し出す鏡とはよく言ったもんだな」


「やっ、ちょっと!離して!!」



公園の薄暗いベンチに無理やり背中を押し付けられた。



「いたい!…ねぇ、どうしたの…っ!」


「しょうがないよな。お前よりおれの方が…」


「な、何言ってるの……!!」


「お前を好きなんだから…」



ギシ、とベンチが軋み、一松くんがわたしの上に覆い被さった。



「一松くん…!?」



押さえつけられた腕の痛みが、逃げられないという事実をつきつける。恐怖心から涙が勝手に溢れ出していた。



「やめ…て…っ!」


「…ナイト失格だな」



一松くんは、自嘲するように哀しげな笑顔を見せると、わたしの唇をいとも容易く奪い、シャツのボタンに手をかけた。




/ 1118ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp