第40章 番外編 F6 十四松先生と二重奏を 第三楽章
「聞こえないよーーっ!!もっともっと大きな声ちょーだーーい!!世界一のイケメンはーー?」
『エーフシーックス!!』
「ほんとかなぁー?」
『ほんとほんとー!!』
「わーい!!みんなだーーいすきーーっ!!チュッ!!」
『キャーーーーッ!!!!』
…トド松くんの必殺投げキッスで、全員気絶した。
「えへっ!やりすぎちゃったかな?」
「トド松くん…部員も気絶しちゃったよ…」
「えーっ?ごめんねっ!」
わたしも、かろうじて立っている状況である。
「さぁ、油を売っている場合ではありませんよ。皆さん、行きましょう」
「あぁ、決めてやろうぜ!」
倒れた部員全員を、カラ松くんが背中に乗せて、チョロ松くんに目配せした。
(やっぱりカラ松くんって優しいよね)
いや、優しいというか筋力どうなってるんだろう。
「よし!僕らの気持ち!音に乗せて届けよう!!」
おそ松くんがそう言うと、松野先生がわたし達に向かい両手を広げた。
「エーフシーックス!ファイヤーー!!」
『ファイヤーー!!』
生き残った部員達で掛け声に応える。
松野先生の一声で緊張なんて吹き飛んでしまう。
わたし達のテンションは最高潮に達し、そのまま本番へと臨んだのだった。