第5章 四男と雨だれ
しばらくゆっくり律動を繰り返していると、
「はぁ…んっ……んぁ……」
主の喘ぎ声が、艶っぽく変化してきた。
(感じ始めてんのか?)
段々と抽送を早めると、気持ち良さそうに顔を歪めおれの背中に腕を回す。
「一松っ…くん…あっ…あぁっ…!」
「痛くない?」
「うんっ…きもちっ…いぃ……あっ…!」
余裕なんてないけどなるべく気持ちよくさせようと、必死になって腰を振る。
腰の動きを早めると、すぐ限界に達しそうになった。
だけど。
伝えないと…。
「主…」
そっと名前を呼べば、快感を必死に受け止めながらも視線を向けてくる。
「お前が…好きだ」
出会ってからずっと、心の奥底にしまっていた言葉を初めて伝えると、主の顔がまた涙でグシャグシャになっていく。
(……恥ずかしいから、これが最初で最後だけど)
涙に濡れた頬を口づけながら、おれは初めて主の中で絶頂を迎えた。
・・・