第39章 ※番外編 F6 十四松先生と二重奏を 第二楽章
主人公視点
アイスを食べ終わり、帰る人もいれば、そのまま残って音楽室や廊下で練習を続ける部員もいた。
「主ちゃーん!一緒に帰ろー?美味しいアールグレイが飲めるカフェでデートしようよー!」
「わ!トド松くんっ!」
トド松くんが後ろから抱きついてきた。うん、トド松くんのノリはまんま女の子なのだ。そこに邪心は無い…たぶん。
こちらの胸のトキメキなんておかまいなしである。
「トド松くん、今日はごめん。わたし、本番近いし、調子悪いからもう少し練習しようと思って」
「えーっ?なら尚更息抜きした方がいいよ!きっと疲れが溜まってるんじゃない?」
わたし達のやり取りを聞いていた松野先生がこちらにやってきた。
「トド、副部長のこと心配してくれてありがとう。でも、彼女の事ちょっと借りてもいいかな?楽器の様子見てあげたいんだ」
「ちぇーっ、じゃあ主ちゃん、今度二人でカフェ行こうね!バイバーイ!」
そう言うと、女子数十人連れてトド松くんは帰って行った。
(あの人数でお店入ったら貸切状態だよ…)
「さ、おいで」
「え?あの…っ!」
誰も見ていないのをいい事に、手を引かれながら準備室に入る。
最近いつもわたしのそばにいた一松くんは、どうやらチョロ松くんの雑用手伝いで駆り出されているようだった。