第39章 ※番外編 F6 十四松先生と二重奏を 第二楽章
「十四松は、いつも僕等に主のことを沢山話していたんだ。キミが本当に可愛いみたいでさ。でも最近キミの話をしなくなった。まるで…」
(松野先生がわたしの事をF6のみんなに?)
「まるで、自分の気持ちを押し殺しているみたいに」
「押し殺す?先生が?」
わたしとおそ松くんが小声で話していると、カラ松くんが声を荒らげ間に入ってきた。
「ったく、あのバカ正直な十四松がウジウジとか、気持ちわりーったらありゃしねぇんだよ!テメーらに何があったか知らねぇが、面倒ごとは卒業してからにしてくれよ!」
「なっ!?」
さも、わたし達に何があったかを見透かしたような発言に言葉が詰まる。
「そうだね、オナニーで我慢我慢っ」
「おそ松くん…爽やかな笑顔でサラッとすごいこと言わないで」
「まぁ、まずは気負わずコンクール楽しもうぜ?」
口は悪いけれど、やっぱりカラ松くんは優しい。
「あとは、一松の事もよろしく。中途半端な事だけはしないでね?」
おそ松くんの顔から笑顔が消え、真剣な表情を向けられた。
(一松くん…わたしの事を……)
「…うん」
わたしが頷くと、赤髪の王子はいつもの爽やかな笑顔に戻り頭を撫でてくれた。
そんなこんなで、三人で話し込んでいたら、あっという間に音楽準備室の目の前に着いていた。