第5章 四男と雨だれ
一松視点
「ねぇ?指だけでこんなに感じてんの?」
そう言って再び中指を曲げると、主はおれにしがみつきながら声を漏らす。
喘いだ箇所を執拗に責め続けると、主の嬌声はどんどん激しくなってゆく。
苦しそうに喘ぐその声を聴くたびに、ゾクゾクと耳に快感が走り、欲望のまま犯したいという強い思いが何度もおれを襲う。
(もう…限界)
指を引き抜き、おれは財布に隠し持っていたゴムを取り出した。
急いで着けて、主の入り口におれのをあてがう。
(えーと、挿れるのは…どこだ?)
滑ってしまい、中々入り口が見つからない。
「……ココ…きて…」
すると、恥ずかしさをこらえるように目を潤ませながら、おれのを掴み導いてくれた。
って…それさ。
(…エェェエロすぎるーー!!!!)
理性が吹き飛び、無我夢中で自身を突き刺した。
「あぁっ…!!」
主の顔が苦しそうに歪む。
(中…すごくキツい…)
なかなか奥まで入らない。
痛くさせないよう、ゆっくりと腰を沈めていく。
けれど…
「…グスッ…ヒック…」
ポロポロと泣き出してしまった。
「だ、大丈夫か!?乱暴すぎた……って、主、お前まさか…!?」
自身をゆっくり引き抜き、シーツを見る。
湿ったシーツには、愛液にうっすらと鮮血が混じっていた。