• テキストサイズ

おそ松さん〜ニート達の裏模様〜

第38章 ※番外編 F6 十四松先生と二重奏を 第一楽章


・・・



演奏を終え、楽器を下ろす。


クーラーの効かない音楽室で熱演したせいで、二人は汗びっしょりである。


汗ばんだ先生の白いシャツは、肌が透け妙にセクシーだ。


わたしは思わず目を逸らした。



「アッハハッ!すごく良かったよ!ありがとう!」


「楽しかったです!こちらこそありがとうございました!」


「でも、ちょっとだけイメージと違ったかな」



松野先生は、楽器を片付けているわたしの頭をそっと撫でた。



「す、すみません。下手で…」


「いや、そうじゃなくて…キミさ、最近音色変わったね?」


「え?特に奏法とか変えてませんけど?」



なんだろう?


何が気に入らなかったのかな?


初見にしてはまあまあの出来だったと思っていたので、少し落ち込んでしまう。



「いや、下手とかじゃないよ。主…ちょっぴり大人になったね?」


「っ!?」



松野先生がわたしの顎を細長い指でクイと掴んだ。



「おれはね、楽器はさ、そりゃあ上手い下手あるけれど、奏者の内面を映し出す鏡だと思っている」


「は、はい…」



緊張して身体がこわばる。



「入部したてのキミは、本当にウブで可愛くて、垢抜けない音をしていた」


「垢抜けない!?」


「ハハッ、嘘はつけない性分なんだっ」



先生はワザとわたしをむくれさせて楽しんでいるようだ。




/ 1118ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp