第38章 ※番外編 F6 十四松先生と二重奏を 第一楽章
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今日一日の練習を終え、わたしは音楽準備室で山積みになったラブレター、楽譜の整理をしていた。
音楽準備室は音楽室の隣にあり、廊下からも音楽室からも入れるようドアが二箇所にある。
真ん中には大きなテーブルとパイプ椅子がガチャガチャ並んでいる。
このテーブルは、パートリーダーが会議をしたり、先生とおしゃべりしながらお弁当を食べたりと、好き勝手し放題な部員の憩いの場だ。
その大切なテーブルの上がごちゃごちゃなのだから、副部長としては放っておけない。
…まぁ、放っておけないというのは口実で、少しでも一緒にいたいだけかもしれないけれど。
松野先生は、テーブルの前にある小さなデスクでパソコンを弄っている。
「松野先生、おそ松くん達はどうしたんですか?いつも練習後ここに残っているのに」
「あぁ、今夜家でホームパーティやるらしくて早めに帰ったよ。ぼくも誘われているけど、ちょっとやり残したことがあるから遅れて参加するんだ」
「やり残した事って…。今パソコンの画面から、野球盤のミニゲームが見えるのですが…」
「うんっ!今日はまだホームラン打ててないからね!」
松野先生は無邪気に笑いながら立つと、冷蔵庫からシュークリームを取り出し食べ始める。
「主もお腹すいたでしょ?ほら」
食べかけのシュークリームを半分こして渡してくれた。