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おそ松さん〜ニート達の裏模様〜

第38章 ※番外編 F6 十四松先生と二重奏を 第一楽章


「あっ、十四松!全く、相変わらず自由なんだから」



音楽室にたどり着くには四階まで上らないといけない。


軽々と階段を上がる先生の後を必死にくっついて行き、三階まで上ったところでおそ松部長と出くわした。


後ろには、髪色は違えどそっくりな顔の四人がいる。



「あれっ?おそ松達も呼びに来てくれたの?」


「主が呼びに行ったっきり、なかなか戻って来なかったから心配になってね。今ちょうど十五分の休憩を入れたところなんだ」



部長のおそ松くんは、三年生でわたしと同じトランペットパート。
赤髪で、爽やかは正義がモットーな王道イケメンであり、我が部のヒーローだ。


松野先生とおそ松くんは、何を隠そう歳の離れた従兄弟同士。
そのため、年齢は松野先生が八つ上だけど顔もよく似ている。


そして、それは後ろの四人…というか、五つ子全員同じである。
おそ松くんはそんな五つ子の長男だ。


この五人と松野先生は、部内では名前で呼び合っている。
初めは衝撃だったけれど、わたしや他の部員も今ではすっかり慣れっこになってしまった。



「しっかしチョロ。今日の基礎練もとばしたなー」


「やれやれ、あれくらいで音を上げるようでは、強豪校に勝てませんよ」



チョロと呼ばれたのは、緑髪で眼鏡をかけた、知性溢れる学生指揮者チョロ松くん。
五つ子の三男坊で、担当楽器はユーフォニアム。
学生指揮者というのは、主に顧問がいない間指揮を振る、顧問にとってアシスト的な存在の事。
ただ指揮を振るだけでなく、管楽器の基礎練習を始め、音程や音質をバンドで作り上げる指導をしたりもする。
つまり、部員内におけるコーチのようなものだ。


チョロ松くんに話しかけた青髪のこれまたイケメンは、次男カラ松くん。
性格は肉食系なオレ様ワイルドで、彼の吹くテナーサックスの音色は、三分で女生徒の下着を一枚ダメにしたという逸話を持つ。
ちなみに、ギターもよく弾くらしい。

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