第38章 ※番外編 F6 十四松先生と二重奏を 第一楽章
わたしは吹奏楽部の副部長、高校三年生のyou主。
担当楽器はトランペット。
まぁ、自分で言うのもなんだけれど、どこにでもいる平凡な女子高生だ。
顧問は松野十四松先生。二十六歳独身。我が吹奏楽部自慢の顧問。いや、顧問という名のスイートプリンス。
金髪碧眼の甘いマスクで高身長。それだけでも完璧なのに、さらに天然な部分もあるという、奇跡のギャップも併せ持つ。
そして、某国立芸術大学の作曲科を卒業。
音楽教師をしながら、暇さえあればピアノを弾いたり作曲していたりする。
ちなみに、音楽と同じくらい野球も好きらしい。
そんな絵に描いたようなイケメンだから、まぁモテる。とにかくモテる。
音楽室の横にある音楽準備室は、実質松野先生の私室のように使われているが、ラブレターが毎日届き山積み状態。
今のところ生徒との怪しいウワサは無いが、わたし達の間では一万人切りの王子というあだ名がついている。
だけど、うちの吹奏楽部のレジェンドはこれだけではない。