第37章 番外編 F6 カラ松と捨て犬
「チッ…」
腕の力を弱め、主を真っ直ぐ見つめる。
「しょうがねぇから、一度だけハッキリと言ってやる」
「は、はい?」
その「?」をヤメろ。
いや、無理か。
コイツには回りくどいことをせず、ストレートに言ってやらねーと。
「主…」
「うん…」
主の少し伸びた前髪を掻き分け、しっかりと瞳を覗き込む。
「どうやら、惚れちまったみてぇだ……お前、オレの女になれ」
「っ!!」
主は目をまん丸に見開いて、驚いた表情のまま固まった。
「…おい?」
「……」
「主!!」
「はっ、はいぃっ!」
名前を呼ぶと、ビクッとしながら我に返った。
「返事は!!」
「あ、あの…でも…っ!」
「あーもういい。メンドクセー」
「……っ!!」
返事を待たずに唇を奪うと、力が抜けてしまったらしくオレに身体を預けてきた。
「これで今日から、お前はオレの女、オレだけの犬だ」
「…本当に?夢じゃない?」
「夢とか言うんじゃねぇ。これからしっかり飼い慣らしてやるから、覚悟しろよ?」
キスをする事で目覚めてしまった、獣の本能。
もう、自分を抑制することなんて出来ない。
主を草むらに押し倒す。
「カラ松…さん…っ」
「あと、さん付けもヤメろ。ほら、名前で呼べ」
主は、はにかみながら可愛く微笑んだ。
「…カラ松……大好き…っ」
呼び捨てだけ命じたのに、嬉しいこと言いやがって。
「…もう、怖がっても逃さないからな?」
柔らかな唇に舌をねじ込み欲望をぶつけると、戸惑いながらも舌を絡ませてきた。
ニットとブラをたくし上げ、隠されていた愛らしい乳房に優しく口づける。
「ひゃ…ぅ…」
子犬みてぇな甘えた鳴き声に、夢中になって乳首に吸いついた。
なぁ、主。
オレにとって、お前が唯一の安らげる場所なんだ。
出会っちまった以上、最後まで責任取れよな。
オレを救えるのは、お前だけだぜ?
マイハニー!!
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