第37章 番外編 F6 カラ松と捨て犬
主は空に向かって両手を伸ばした。遠くの星をその手に掴むように。
「そして、わたしを沢山笑わせてくれて、お友達まで作れるくらい一緒におしゃべりの特訓をしてくれました!その上、こんなに素敵な星空までプレゼントしてくれて!!」
ぴょこっと起き上がると、癖なのかまたオレの肩に頭をすり寄せる。
「えーと、話をまとめると…」
星のようにきらめく瞳がオレに向けられる。
「カラ松さん!夢のような時間をありがとうございました!これからも、みんなに夢を与えるスーパーアイドル、いえ、スーパースターでいてくださいね!わたし、ずっとずっと応援してますから!!」
なんだその顔は。
そんなに瞳を潤ませて。
なんで笑っているのに、そんなに寂しそうなんだよ?
泣きそうになってんだよ。
「捨て犬みてーな顔しやがって!」
心臓が痛くてどうにかなっちまいそうだ。
「カラ松…さん?」
気がつくとオレは、主を抱きしめていた。