第35章 番外編 F6 チョロ松と専属メイドの秘め事(長編)
「こ、これから身体がどうなっても、逃げずに全てを私に預けてくれますか?」
「全てを…ですか?」
「はい。貴女の全てを、私にください」
わたしの頬に手が添えられ、真っ直ぐ見つめられる。
その言葉の意味を、わたしはすぐ理解した。
(わたし…これからチョロ松様に、初めてを——)
身体が僅かに震えただけなのに、チョロ松様はわたしをすかさず抱きしめてくれた。
「辛かったらすぐに辞めます。だけど、私はもう…貴女が欲しくておかしくなってしまいそうなんです!」
(そんなにもわたしの事を想ってくださるなんて…)
わたしはチョロ松様の首に腕を絡ませ抱きついた。
「チョロ松様。わたしの何よりも大切なご主人様…。どうか、主の全てを受け取ってくださいませ」
「ありがとう…愛しています、主」
互いに見つめ合うと、どちらからともなく唇を求め、飽きるほど口付けを交わした。