第35章 番外編 F6 チョロ松と専属メイドの秘め事(長編)
思考が停止してしまい、まどろむように目を閉じていると…
「主」
チョロ松様の甘い声が響いた。
瞼を開けば、そこにあるのは愛しいお顔。
「チョロ松様…わたし、今…」
「オーガズムを迎えて、少し眠ってしまったようですね。数分だけですが」
頬に口付けられ頭を撫でられる。
「おーがずむ?」
「簡単に言えば『イった』のでしょう。一瞬、快感が深く押し寄せた後、解放されたような感覚になりませんでしたか?」
すぐ先ほど襲われた感覚をなんとなく思い出す。
「ええと、何かが来て、キューってなって…ふにゃーってなりました」
「アハハッ、貴女の表現はオノマトペばかりですね。きっと、感性が豊かなのでしょう」
クスクスと笑われてしまった。
「あ、あの…でも、初めてあんなに気持ちよくなりました」
照れくさかったので俯きながら上目遣いで話すと、
「そ、そそそうですか!そんな…可愛らしい顔で言わないでください…っ!」
チョロ松様がいつものように真っ赤になった。
けれどそれは一瞬で、すぐに真剣な表情になる。
「あの…主」
「なんでしょう?」
わたしが返事をすると、ソファーのリクライニングを倒し仰向けに寝かせられた。