第35章 番外編 F6 チョロ松と専属メイドの秘め事(長編)
主人公視点
チョロ松様はメガネを机の上に置き、ゆっくりとわたしをソファーに押し倒しながら唇を奪った。
夢のようで、未だに現実だと信じることが出来ない。
何もかも初めてで、どうすればいいのか分からず身体が強張ってしまう。
「主、力を抜いて…リラックスしてください」
「……ん…」
チョロ松様の舌がわたしの口内に入ってきた。
ゆっくりと、優しく深くキスをされながら、頭を撫でられる。
わたしが夢心地で舌を動かせないでいると、導くようにチョロ松様の舌がねっとりと絡んできた。
唇を包み込むようにキスをされ、身体の奥が熱くなり始めると、初めての快感に戸惑い、チョロ松様の肩をキュッと掴んでしまった。
すると、糸を引きながら唇が離れる。
「怖いですか?」
「…まるで夢みたいで。いつか目が覚めてしまうんじゃないかと思うと…」
「そのような非現実的な事はありえません。私と貴女は、今こうして愛し合っている」
チョロ松様は少し考える素振りを見せた後、頬を赤らめながら口を開いた。
「実は、私もこ、このような行為は初めてなのです。なので、今この瞬間を、二人の脳裏にしっかりと焼き付けましょう」
見つめ合うと、わたしの頬に美しい指が触れた。
「そ、そうすれば、夢のように忘れてしまう事はありません。…怖くなくなりましたか?」
「はい……嬉しい…」
「いい子ですね」
そう言うと、胸元のリボンに手をかけられた。