第35章 番外編 F6 チョロ松と専属メイドの秘め事(長編)
「これは、今回のPV撮影でエジプトへ行った際、私が興味を示したら、エジプト政府が譲ってくれたものです。何でも、紀元前千年ほど昔の物らしいのですが」
「政府が譲ってくれたんですか!!??」
「何か気に障りましたか?」
「いえ…少し驚きました」
少しどころではなく本気で驚いた。
普通、一個人に、歴史的価値のある代物をくれるはずがない。
先ほどの雲を消し飛ばしたのもそうだけど、やっぱり…チョロ松様達とわたしなんかでは住む世界が違いすぎる。
「これは、古代文字のヒエログリフが彫られているんです。こことか鳥のような形で面白いでしょう?ヒエログリフは象形文字の代表として有名ですが、実際は表音文字としても使われているのであーでこーでそんなんでぶつぶつ…」
日本語のはずなのに、またしても解読不能な会話になっていく。
「す、すみません。わたしなんかには難しすぎて…」
「あぁ、ごめんなさいっ!思わず夢中になってしまって!今、ヒエログリフをマスター中なものでつい!」
「スゴいですねっ!ではお尋ねしてもよろしいですか?ここは、どういう意味なんでしょうか?」
わたしは何となく石板の右端を指差した。