第35章 番外編 F6 チョロ松と専属メイドの秘め事(長編)
「おそ松様…」
「力仕事はダメって言われてるんでしょ?」
またおデコをツンと指でつつかれた。
「は、はい。でもおそ松様のお手を煩わせるわけには…」
「男としてこれくらいさせてよ?ねっ?」
「でも…っ!」
わたしが本を取ろうとすると、からかうように笑いながらひょいとかわされてしまった。
これは…とてもじゃないが奪い取ることは無理そうだ。
おそ松様と話すのはこの間の一件以来だ。
だけど、まるで部屋での出来事がなかったかのように、おそ松様の声は明るく笑顔だ。
「申し訳ございません…」
「僕がしたいだけだからいいんだ!さぁ、行こうか」
おそ松様は片手で扉を開けると、「どうぞ」と言ってエスコートしてくれた。