第35章 番外編 F6 チョロ松と専属メイドの秘め事(長編)
「わたしは、チョロ松様の専属メイドであり、このお屋敷にお仕えする身です。主人であるチョロ松様を呼び捨てにするなど、いくらチョロ松様のご命令だとしても致しかねます」
そう、わたしはただの下っ端メイド。
チョロ松様のクラスメイトでもお友達でも、ましてや恋人でも無いのだから、そんなことは許されるはずがない。
「申し訳ございません」
わたしは深々と頭を下げた。
胸がチクリと痛む。
「わ、分かりました。私こそ、主人である自覚をしっかり持たないといけませんね。そう、私は貴女の主人…」
チョロ松様が自分に言い聞かせるようにつぶやき、開いていた本をパタンと閉じた時、
—コンコン—
扉をノックする音が聞こえた。