第34章 番外編 F6 一松と囚われの姫君
「っ!!」
おれは昼寝から飛び起きた。
(な、なんだ!?今の夢は!!)
どうやら、ソファーの上でいつの間にかうたた寝をしていたらしい。
着ていたシャツは汗ビッショリ。
「あーっ!一松にーさんおはよーー!!メッチャうなされてたよー!!」
部屋には十四松以外誰もいなかった。
「あ、あぁ…って、何やってんの?」
「あっははー!触手の練習!!」
十四松はニコニコしながら腕をクネクネさせている。
相変わらず関節どうなってんのかよくわかんない。
ん?
触手!?
「ちょっと待て。オマエ、それいつからやってた?」
「うんとねー、二時間前くらいかな!!」
「オマエのせいか…!」
「なにがなにがー?」
十四松が首をかしげながら聞いてきた。
言えるわけがない。
「ヒミツ…散歩行く?」
「ワオーン!!」
怒ろうと思ったけど、やめといた。
かなりシンドイ夢だったけど、
主に愛してるって言えたのが、嬉しかったから——。