第34章 番外編 F6 一松と囚われの姫君
「早く!可及的速やかに逃げろザンス!!もう、チミ達の顔なんて、金輪際見たくないザンスよ!!シェーーーー!!!!」
手下達もイヤミに合わせてイッシェーをした。
俺達は、急いで服を着ると、手を繋いでよろめきながら走り出した。
ドアの前、ひしめき合う手下共を睨みつける。
「どいてくれる?」
「はいーーっ!!」
全員が敬礼をし、出口まで一直線の道が開かれた。
俺は、主の手首を掴んだまま跪く。
「我が姫君よ、これからもずっと、あなたの騎士(ナイト)として、そばにお仕えしてもよろしいでしょうか?全身全霊をかけて、お護り致します」
「——はい。こちらこそ、これからもずっとずっと添い遂げます」
「シェーーーー!!!!」
イヤミと手下達全員が、鼻血を出しながら卒倒し、そのまま永遠の眠りについた。
俺は主の手の甲に誓いの口づけを落とし、血で出来たレッドカーペットの上を手を繋いだまま走り去った。
主、もう二度とお前から離れたりしない。
絶対に、俺がお前を護ってみせる。
俺の帰る場所は、いつだってお前の笑顔なのだから——。
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