第34章 番外編 F6 一松と囚われの姫君
「俺はこの先どうなるか分からない。監禁され、さらに屈辱的なことをされるかもしれない。そして、命を落とす可能性だって…ある」
「そん…な——」
「だが、身体を支配されても心は決して支配されない!!俺は今までも、そしてこれからも、お前だけの騎士(ナイト)だ!!」
「!!」
声を振り絞る度に、頭に響いて吐き気がするほど目眩がした。
でも、そんなの構うものか。
「俺の心は、主、いつもお前と共にある!たとえ離れ離れになったとしてもだ!」
「一松…一松っ…!!」
また泣き出してしまった。
泣かないで…我が愛しの姫君…。
「主」
これが、最後の伝えたい言葉——。
「——愛してる。永遠に…」