第34章 番外編 F6 一松と囚われの姫君
「主!!」
「一松っ!!」
解き放たれた俺達はどちらともなく駆け寄った。
しかし、二人の手が伸び、届きそうになったその瞬間!!
「うひょひょ!!そんな簡単にくっつけるワケないザンショ!!ポチッとな!!」
「キャアァーーッ!!」
「主ー!!ウグッ!?」
イヤミが謎のボタンを押すと、身体を背後からツタのような物に引っ張られ、そのままがんじがらめにされてしまった。
(何だこれは!植物ではなく…機械!?)
蛇のようにウネウネと動く触手が、地面から何本も飛び出している。俺と主は、その謎の触手によって向かい合わせに拘束されてしまった。
頭を固定され、脚、腕に力を入れてはみたものの、柔らかな触手ががっしりと絡まり身動きが取れない。
主は手を後ろに縛られ、脚を開かされると、羞恥に耐えかね涙を流し出す。
「いやあぁぁあー!!」
「主!!頼む!俺はどうなったっていいから彼女だけは!!」
「しつこいザンス!二人揃ってないと意味がないザンス!!」
イヤミは両手を上げながら立ち上がった。
「これぞ!帝国の叡智を詰め込んだ、人口孕ませマシーン『挿れるねザンスくん』ザンス!!」
「……」
よく分からないが、ネーミングセンスが皆無なのだけは分かった。
「ルネサンスにかけたザンス!!」
聞いてもいないのに後付けで由来を述べてきた。
「そう、ルネサンスは『再生』、『復活』という意味のおフランス語ザンス!!このマシーンは、400年前に滅ぼされたミー達の帝国を復活させるために作り出された狂気の機姦兵器!!シェーーーー!!」
「こんなものを使って何をする気なんだ!?」
「まだ分からないザンスかー?」
イヤミが出っ歯を光らせながら、不気味な笑みを浮かべた。