第33章 アンケート投票第1位 心霊スポットツアー おそ松
「なんだよお前まで騒いで?」
チョロ松くんは、入り口まで戻ってくると、膝に手をつきゼェゼェと肩で呼吸をしている。
「ゴメン、見失った!僕の前を歩いていた主さんが…き、急にいなくなっちゃったんだ!まるで幽霊みたいに突然目の前から消えて」
「わたしずっとここにいたけど?」
「うわあぁぁぁああーー!!」
チョロ松くんが、わたしの声に驚いた拍子に、
—ゴンッ—
苔でヌメヌメだった地面に足を滑らせ、後頭部を直にぶつけてしまった。
「チョロ松くんっ!?」
急いで駆け寄り上半身を起こす。ブツブツ独り言を言いながら、目がうつろで焦点が合わない。
「ねぇ、大丈夫?」
「そ、そうだ…あの時、僕は主さんのなまちちを…バカ長男が……こんな風に…」
—むにゅむにゅ—
「っ!!」
突然胸を強く揉まれ、わたしは思わず、
「な、何するんですかーー!!??」
—ゴンッ—
「ゴフッ!!」
上半身を支えていた手をパッと離してしまい、またチョロ松くんの後頭部を地面にぶつけてしまった…。
「あ……チョロ松くんっ!ゴメン!!つい、びっくりしちゃって…!!」
「…はい、またひとり脱落…」
完全に気を失ったチョロ松くんを見て、いつの間にか真後ろにいた一松くんが…ボソリとつぶやいた。