第33章 アンケート投票第1位 心霊スポットツアー おそ松
車内は少し席替えをした。
最前列の俺と主ちゃんはそのままで、負傷者のカラ松と十四松が最後尾、二列目は右からチョロ松、トド松、一松が座ることになった。
十四松は気絶したまま動かない。
カラ松はというとバスタオルにくるまっている。なぜかコインシャワーの横にタオルの自販機があり、一枚三千円もした代物だ。
ちなみにその下はパンイチで、クソタンクトップとダメージジーンズの短パン、キラッキラな革靴は、残念ながら残念な事になった。
それがショックだったのか、一人でずっと騒いでいる。
「嘘じゃない!!本当に沼の主がいたんだっ!」
「だから沼の主って何だよ!?それってデカい魚とかに使う言葉だから!!」
チョロ松は、地図を広げながらツッコミを入れている。
「そ、そうなのか!じゃあ訂正する!沼からカラ松ガールの声が聞こえたんだ!!」
「は?何それ?」
「ツタに絡まった十四松を助けようとした時、カラ松ガールの声がして、運命の出会いに思わず振り向いた途端、オレの足を何者かが…!」
「え?それ幽霊じゃね?」
「……」
俺がそう言うと、全員無言になった。