第33章 アンケート投票第1位 心霊スポットツアー おそ松
おそ松視点
「あちゃー、コイツらなにやらかしてんの?」
花を供え終わって5人で駆けつけると、十四松はツタに絡まり、カラ松に至っては沼に肩まで浸かってもがいている。
「ブラザー!!ヘルプミーー!!十四松を助け出そうとしたら、沼の主がオレの足を、オーマイフーーット!!」
「主なんていねーよ!!お前がただ足を踏み外しただけだろっ!!おそ松兄さん、片手ずつ引っ張るから手伝って!」
「だはははっ!おもしれー!ほんと、手のかかる弟たちだな!」
十四松は一松とトド松に任せて、俺とチョロ松でカラ松を引きあげた。
十四松は気絶、カラ松は泥だらけで見るも無惨な状態だ。
「オレの…パーフェクトファッション…が…」
「っつーか夜中にこういうとこ来るって分かってて、なんでキラッキラしたロングノーズなんて履いてくんの!?滑るに決まってるでしょ!!イッタイよねー!!」
「トド松くん落ち着いて!とりあえず…泥どうしよう?」
主ちゃんが困っているので俺が辺りを照らして見渡すと…
「おいみんな!!あれを見るんだー!!」
俺が懐中電灯を照らした大分遠くの方に、ぼんやりと光る電灯一本とワンコイン3分のコインシャワーがあった。
なぜ分かったかというと、特大の看板が立ててあったからだ。
「ってなんでここにシャワーあるの!?海の家じゃねーし!!」
まぁ、チョロ松の言う通り、ツッコミどころは満載だ。
「……あれは、松の沼で、死にきれなかった人専用のシャワー。あのシャワーで心と身体を浄化して、心機一転人生をやり直せると言われている…。よって、ここは自殺の名所でもあるし、自分探しの終着点でもあるそうな…」
「どこに金かけてんの!?自殺の名所にシャワー設置するくらいなら、飛び込めないように柵でも作れよ!!」
得意げに話した一松に、すかさずチョロ松のツッコミがスパンと入る。っつか、シャワーより、一松が心霊スポットにやたら詳しい方が謎だ。
ひとまず十四松を救出し、シャワーを浴び終わったカラ松を車に乗せ、俺達は松の沼から逃げるように出発したのだった。