第33章 アンケート投票第1位 心霊スポットツアー おそ松
「えーっと、あの日は確か…にゃーちゃんのライブ行ったら日にちを間違えていて…だから、家に帰ったと思うんだけど…。でも、階段から落ちた衝撃で、その前後の記憶が無くなっちゃって…。おそ松兄さんと主さんが救急車呼んでくれたのは覚えてるんだけどなぁ」
「そ、そうだったんですね。でも、大怪我じゃなくて本当によかった!」
恐らく、わたし達がエッチしていたのを目撃してしまい、驚いて階段から落ちてしまったのだろう。
どうやら、記憶が途切れているみたいなので、申し訳ないけれどホッとしてしまった。
「まーあれだ、自家発電三郎には刺激が強すぎたな」
「えっなに?どーゆーこと?つーか二度とその名で呼ぶな」
「はははっ、きっとお前さぁ、二階に上がった時…」
「ちょ、ちょっとおそ松くん!」
「いつっ!」
わたしはおそ松くんの太腿をつねった。
「チョロ松くん、まだ怪我が完治していないんだから、落ちた時の事なんて無理やり思い出させなくていいでしょ!!」
「主さん、ぼ、ぼぼ僕のためにそんな…!」
「はいはーい主ちゃんの言う通り。あ、みんなー、着いたぞー!」
人っ子ひとりいない暗闇の中、車が止められた。