第31章 ※アンケート投票第1位 俺の精いっぱい 長男
(まぁ、お前を好きな気持ちは始めから変わんないけど…)
俺は、会話を遮るように主ちゃんの首筋に軽く触れた。
「どうしたの?」
「お前さ、肌ガッサガサ」
「急に失礼すぎない!?」
(あーあー、ウソなのに怒っちゃって。分かりやすいねぇ主ちゃん)
主ちゃんが不機嫌になり身体を離したタイミングで、俺はポケットから包みを取り出し渡した。
「これ」
「えっ?」
「え?じゃなくて早く開けてみ?」
主ちゃんが立ち止まり、ガサゴソと赤いリボンをほどく。
すると、不機嫌だった顔がパァっと明るくなった。
「わぁ…これ、すごく人気なブランドのボディークリームじゃない!?」
「そーなの?」
「知らないで買ったの!?」
「いい匂いだったから買った」
「そ、そっか!ありがとう!!すごく嬉しい!」
よほど嬉しかったのか、早速腕にぬりぬりしだす。
「あ、ガッサガサだったから首もちゃんとぬれよ?」
「はいはい!もう、失礼だなぁ」
主ちゃんは口を尖らせながら、両手にクリームを取り丁寧に首筋にぬり始めた。