第31章 ※アンケート投票第1位 俺の精いっぱい 長男
いつものように、主ちゃんを家まで送りがてら散歩をする。
ほろ酔いでほてった頬に、夜風があたり気持ちがいい。
(あとは、これを渡すだけなんだけどな…)
ポケットに手を突っ込んで、プレゼントの包みを握りしめていると、主ちゃんが腕を組んできた。
「おそ松くん、ありがとね」
「ん…」
俺の肩に頭をくっつけて甘える主ちゃん。
シャンプーの香りが鼻をかすめる。
(渡すタイミングわかんねー…)
ポケットの中、包みをそっと指で撫でた。
「ね、わたし達いろいろあったね?沢山笑って、沢山喧嘩して」
「き、急にどーした?」
「出会った頃から今までを思い返していたの」
「ふーん?」
主ちゃんが俺の肩に頭をくっつけながらかわいーく見つめてきた。
「おそ松くんってずっと変わらないよね。初対面の頃から、話しやすくて裏表がなくて…」
「いやいや変わったから。随分男として成長したし!」
(無事に童貞も捨てたし!)
「えーっ!自分で言うかなそれ!」
クスクスと笑いながら腕を組み直している。